「既卒=採用されない」は思い込み?採用される人の共通点とすぐできる対策

既卒

既卒はなかなか採用されない…

とよく言われますが、実際に就活をしていてその壁を痛感している方も多いのではないでしょうか。

新卒のような“レール”から外れた途端に、チャンスが狭まってしまうと感じている方もいるかもしれません。

しかし、採用されない理由には必ず「原因」があり、その原因に気づき対策を取ることで、状況は大きく変わります。

本記事では、「既卒は採用されない」と感じている方に向けて、なぜ採用されにくいとされるのか、その実態と背景、そしてこれから取るべき対策についてわかりやすく解説します。

既卒は本当に採用されにくいのか?

既卒は本当に企業から敬遠されてしまうのでしょうか。
まずは企業側の視点から、既卒に対してどのような印象を抱いているのかを理解し、冷静に現状を見つめていきましょう。

企業が既卒に対して抱くイメージとは?

企業が既卒に対して抱く代表的な懸念点として、

  • ブランクの理由が不明
  • 新卒枠との比較で劣る印象

などが挙げられます。

特に空白期間が長い場合、「働く意欲が低いのでは?」といった誤解を生むことがあります。

また、採用担当者の中には

新卒でのチャンスがあったのに、
なぜ活かせなかったのか?

という疑問を持つ場合もあります。これらの先入観が、既卒の就活を難しく感じさせる一因です。

新卒との違いとは?企業側の選考基準を解説

新卒と既卒の最大の違いは、「ポテンシャル採用」の枠に乗れるかどうかです。

企業は新卒に対しては「社会経験がないことを前提」として選考を行うため、育成前提の視点で見てくれます。

一方、既卒の場合は「新卒枠とは異なる視点」で見られやすく、即戦力や主体性といった要素がより強く求められる傾向があります。

ただし、既卒だからといって不利になるとは限りません。

明確な志望動機や、就職活動への前向きな姿勢を見せることで、十分に評価されるケースも増えてきています。

実際のデータから見る既卒の採用状況

厚生労働省や各種就職支援サービスのデータによると、既卒者の内定率は新卒に比べてやや低いものの、採用実績は着実に存在しています。

特に「卒業後3年以内」であれば、新卒扱いとして選考してくれる企業も少なくありません。
また、若い働き手が減少している背景から、既卒者を積極的に受け入れている企業も年々増加しています。

つまり、「既卒=採用されない」という認識は一面的な見方にすぎず、正しい行動を取ればチャンスは十分にあります。

既卒で採用されないと感じる主な理由

何社受けても落ちる…

自分だけが評価されていない気がする

そんなふうに感じてしまう既卒の方は少なくありません。
ですが、採用されない理由には以下のような共通点があります。

採用されないと感じる主な理由
  • 空白期間の説明が不十分
  • 就活の軸が曖昧になっている
  • 自己分析・企業研究の不足
  • 面接での自信のなさや受け答えの弱さ

ここでは、既卒者が就活でつまずきやすい原因を整理して解説します。

空白期間の説明が不十分

既卒者の就活において、空白期間の説明は非常に重要です。

この期間に何をしていたかが曖昧だと、企業は、

何もしていなかったのでは?

と不安を感じます。

たとえアルバイトや資格取得の勉強をしていたとしても、その経験をどうキャリアに活かしたいのかを語れなければ、評価にはつながりません。

「何をしていたか」だけでなく、「それを通じて何を学んだか」をセットで伝えることが大切です。

就活の軸が曖昧になっている

「どの業界でもいい」「なんとなく応募した」という姿勢は、面接官にもすぐに見抜かれてしまいます。

特に既卒者の場合、時間的な猶予がある分、自分自身の方向性をしっかり定めていることが求められます。

業界選びや志望動機に一貫性がないと、「この人はうちの会社に合わないかもしれない」と判断されるリスクがあります。

就活の軸を明確にすることで、説得力のある自己PRや志望動機が生まれます。

自己分析・企業研究の不足

就職活動の基本である自己分析と企業研究を疎かにしていると、面接での回答が表面的になってしまいます。

例えば、「御社の安定性に惹かれました」といった曖昧な回答は、どの企業にも当てはまるため差別化ができません。

自分の強みがどのように企業で活かせるのかを理解し、具体的に伝えられるかどうかが、内定の可否を分けるポイントになります。

面接での自信のなさや受け答えの弱さ

「既卒だから採用されない、不利だ」と思い込んでしまうと、その不安や自信のなさが面接中の態度や表情に表れてしまいます。

受け答えが弱々しいと、面接官は

仕事を任せて大丈夫だろうか…

と感じてしまいます。

反対に、自分の経験や考えを前向きに伝える姿勢は、既卒というハンデを乗り越える力となります。

言葉の内容だけでなく、話し方や態度からも「一緒に働きたい」と思わせることが重要です。

既卒が採用されるための3つのポイント

「既卒だから」と引け目を感じてしまいがちですが、採用される人には共通して“伝え方”や“準備”に明確なポイントがあります。
ここでは、既卒でも採用されるために意識したい3つの具体的なポイントを紹介します。

既卒が採用されるポイント
  • 空白期間をポジティブに伝える
  • 明確な志望動機とキャリアビジョンを提示
  • 新卒に負けない行動力や熱意を見せる

空白期間をポジティブに伝える

企業が気にするのは、「空白期間があること」そのものではなく、「その期間をどう過ごし、どのように説明できるか」です。

たとえば、「アルバイトで接客力を磨いた」「資格取得に集中していた」「自己分析や業界研究を丁寧に行っていた」など、目的を持って行動していれば、マイナスにはなりません。

重要なのは、その経験から何を学び、今後どう活かしたいかを言語化することです。

「空白=何もしていなかった」ではなく、「準備期間」として前向きに語れるようにしましょう。

【例文】空白期間のポジティブな答え方

卒業後は何をしていたのですか?

【例】
大学卒業後、就職活動に迷いがあり一時的に活動を控えていましたが、その期間を活かして自己分析を深めたり、業界研究を行ったりして、自分が本当にやりたいことを見つめ直す時間にあてていました。
また、社会経験を積むためにアルバイトにも取り組み、対人スキルや責任感も養うことができました。
現在は明確な目標が定まり、正社員として長く働いていきたいと考えています。

この例文のポイントは、空白期間を前向きに活用したことを強調する点です。
自己分析や業界研究、アルバイトを通じてスキルを磨いたことを伝え、成長の過程をアピールしています。

また、空白期間の経験が現在の目標にどのように繋がっているかを明確にし、今後のキャリアに対する意欲を示すことが大切です。

明確な志望動機とキャリアビジョンを提示

既卒の就活では、志望動機の説得力が大きな武器になります。

  • なぜその業界・企業を選んだのか
  • 自分の経験とどう結びついているのか
  • 入社後にどのように活躍したいのか

これらを一貫して語れることが重要です。

さらに、「今後どうなりたいか」という中長期的なキャリアビジョンも添えることで、企業は「将来性のある人材」として評価しやすくなります。

ただ働きたい、という願望だけではなく、「この会社で何を実現したいか」を明確にして伝えましょう。

新卒に負けない行動力や熱意を見せる

既卒という立場は、見方を変えれば「一度失敗を経験したうえで、それでも前向きに挑戦している人材」とも捉えられます。

この点を活かすには、「主体的に動いている姿勢」を見せることが重要です。

たとえば、自主的に業界研究やOB訪問をした、ポートフォリオを作成した、就職セミナーに積極的に参加したなど、具体的な行動を示すことで、熱意が伝わりやすくなります。

「なぜ既卒になったか」よりも、「既卒期間をどう行動してきたか」を強調することで、評価は大きく変わります。

既卒に強い就職先や職種の特徴とは?

既卒での就活では、全ての企業が難しいというわけではありません。

むしろ、既卒者を積極的に受け入れている業界や職種も数多く存在します。

ここでは、既卒にとって狙い目となる就職先の特徴を紹介します。

既卒に強い就職先や職種
  • 未経験者歓迎・ポテンシャル重視の企業
  • 中途採用と既卒の中間ポジション
  • 人手不足の業界

未経験者歓迎・ポテンシャル重視の企業を狙う

既卒者がまず注目すべきは、「未経験歓迎」や「ポテンシャル重視」と明記されている求人です。

これらの企業は、これまでの経験よりも、これからの成長意欲や人柄を重視して選考を行う傾向があります。

たとえば、営業職や接客業、IT業界の初級エンジニアなどは、未経験からチャレンジできるケースが多く、既卒者にも門戸が開かれています。

「学ぶ意欲」「柔軟性」「行動力」をアピールすることで、評価につながりやすい職種です。

ただしブラック企業には要注意!

未経験者歓迎やポテンシャル重視の企業には魅力的な求人も多いですが、その中には労働環境があまりに劣悪な「ブラック企業」も存在します。

応募前に以下のポイントを確認しましょう。

  • 過度な残業や労働時間の長さ
    求人票や面接時に労働時間や休暇について具体的に確認する
  • 離職率の高さ
    社員の退職率が高い企業は、労働環境に問題がある可能性がある
  • 業務内容の曖昧さ
    仕事内容や求められるスキルが不明確で、後から過剰な負担がかかる場合がある

企業の評判を調べ、労働条件が適正かどうかを見極めることが大切です。

中途採用と既卒の中間ポジションが狙い目

多くの企業では、新卒採用とは別に「第二新卒」や「若手ポテンシャル採用」といった枠組みで既卒者を受け入れています。

これらの枠は、社会人経験の有無よりも、「若手として将来的に育成できるかどうか」が評価基準になります。

特に、卒業後1~3年以内であれば、新卒扱いとして応募できる企業も少なくありません。

企業の採用ページや求人情報をよく確認し、自分が応募可能なポジションを積極的に狙いましょう。

人手不足の業界をうまく活用する

介護・建設・物流・飲食などの業界は、慢性的な人手不足により、採用に積極的な企業が多く見られます。

これらの業界では、職歴よりも「人柄」や「長く働ける意欲」が重視されやすいため、既卒者にとっては大きなチャンスとなります。

もちろん、ハードな一面もあるため、自分の適性や希望と照らし合わせて判断する必要はありますが、「まずは社会人経験を積む」という視点で見ると、有効な選択肢です。

業界を広く見渡すことで、思わぬチャンスが見えてくることもあります。

人手不足の業界の例

業界詳細職種例
介護高齢化社会により需要が増加しており、労働力不足が深刻。介護職
ヘルパー
ケアマネジャー
建設建設需要が増加している一方で、職人不足が続いている。建設作業員
現場監督
設計・施工管理
物流ECの普及で配送業務が急増しており、ドライバーや倉庫作業員が不足。トラックドライバー
倉庫作業員
配送スタッフ
飲食飲食業界の働き手が不足しており、特にサービス業の人手が足りない。ホールスタッフ
キッチンスタッフ
店長候補
ITデジタル化やIT化が進み、エンジニアやプログラマーの需要が高まっている。システムエンジニア
データベース管理者
Webデザイナー
保育少子化に伴い、保育士の需要が増えているが、人手不足が続いている。保育士
保育補助員
園長候補
医療高齢化に伴う医療需要が増加し、医療従事者が不足している。看護師
医療事務
放射線技師
臨床検査技師

既卒の就活成功のために使えるサポートサービス

既卒の就活は、自分ひとりで進めようとすると行き詰まりやすく、精神的にも疲弊しがちです。
そんなときこそ、外部のサポートをうまく活用することが成功への近道となります。

ここでは、既卒者が活用できる主な就職支援サービスを紹介します。

ハローワーク

ハローワークは全国どこでも利用できる公的機関で、既卒者に対しても相談窓口や求人紹介を行っています。

ほかには、キャリアカウンセリングや面接対策などの支援を実施しており、就職に関してさまざまな相談ができるのがポイントです。

地域密着型の求人も多く、自宅から通いやすい職場を見つけたい人にはおすすめです。

就職エージェント

既卒専門や若手向けに特化した就職エージェントは、個別サポートを受けながら就活を進められる点が魅力です。

キャリアアドバイザーが自分に合った企業を紹介してくれるほか、応募書類の添削や面接対策もマンツーマンで行ってくれます。

例としては、以下のような就職エージェントなどが既卒に強いとされています。

  • 第二新卒エージェントneo
  • ハタラクティブ
  • DYM就職

既卒に強い就職エージェントを活用することのメリットは以下の通りです。

既卒に強い就職エージェント活用のメリット
  • 専門的なサポートを受けられる
    既卒向けの求人に特化したアドバイザーから、適切なアドバイスをもらえる。
  • 非公開求人にエントリーできる
    一般には公開されていない企業の求人情報を紹介してもらえる。
  • 応募書類の添削・面接対策
    履歴書や職務経歴書の添削、面接対策を無料でサポートしてもらえる。
  • 自分に合った企業を紹介してもらえる
    自分の希望やスキルに合った企業を選定してもらえるため、効率的に就職活動ができる。
  • 無料で利用できる
    サービスは基本的に無料で提供されるため、コストを気にせず活用できる。
  • 選考対策や交渉サポート
    選考の進行において、エージェントが企業との連絡や条件交渉をサポートしてくれる。

これらのメリットを活かすことで、よりスムーズで成功しやすい就職活動が可能となります。

一人で悩まず、第三者の客観的な視点を取り入れることが、視野を大きく広げるきっかけになります。

ジョブカフェや自治体の支援サービスもチェック

各都道府県が運営する「ジョブカフェ」や若者サポートステーションなども、既卒者向けの支援を提供しています。

無料のセミナー、企業とのマッチングイベント、模擬面接など、実践的な支援を受けられる場が整っていることが特徴です。

地元に根ざした就活を考えている方は、こうした地域のサポートも視野に入れるとよいでしょう。

既卒でも採用される人の共通点と心構え

「既卒だから採用されない・内定が出ない」わけではありません。

実際に、多くの既卒者が企業から評価され、社会人としての一歩を踏み出しています。
ここでは、既卒でも採用される人に共通する特徴と、就活に臨む上での心構えについてお伝えします。

過去よりも「これから」を語れるかどうか

既卒で内定を得ている人の多くは、「過去にどうだったか」よりも「これからどうしたいか」をしっかり言語化できています。

たとえ失敗や空白期間があったとしても、それを受け止め、前向きに努力している姿勢が伝われば、企業はチャンスを与えてくれます。

採用担当者が見ているのは「未来に向けた意欲」と「成長の可能性」です。
「自分を変えたい」「社会に出て貢献したい」という思いを、自分の言葉で伝えることが鍵となります。

自信のなさを、準備と行動で乗り越える

既卒という立場に引け目を感じてしまうのは、自然なことです。
しかし、採用される人たちは「どうせ無理」と諦めるのではなく、小さな準備と行動を積み重ねています。

  • 面接で話す内容をしっかり準備する
  • 業界研究を深掘りする
  • 第三者のサポートを受けながら改善点を見直す

このような「一歩ずつの積み重ね」が、やがて自信につながり、面接でも自然と前向きな姿勢が出てくるようになります。

正社員になることだけがゴールではない

もちろん正社員としての就職は一つの目標ですが、焦りすぎて選択肢を狭めてしまうのは危険です。

契約社員や紹介予定派遣、インターン制度など、「まずは経験を積む」という視点で考えることも、キャリアを前進させる一歩になります。

最初の一社に完璧を求めすぎず、着実に社会経験を積んでいく姿勢が、結果的に次のチャンスにもつながっていきます。

「どこかに入る」ではなく、「どんな社会人になりたいか」を軸に就活を進めていきましょう。

よくある質問(FAQ)

最後に、既卒で採用されないことについてのよくある質問を紹介していきます。

  • 既卒になったら、もう正社員として就職するのは無理ですか?
  • 既卒期間のブランクはどう説明すればいい?
  • 就活の相談を誰にもできずに悩んでいます…
  • 既卒の就活では、どんな業界や職種が狙い目ですか?
Q
既卒になったら、もう正社員として就職するのは無理ですか?
A

そんなことはありません。
既卒であっても、正社員として採用される人は数多くいます。
大切なのは、既卒という経歴よりも「これからどうなりたいか」「どのように働きたいか」をしっかり伝えることです。
ポテンシャル採用を行っている企業や、未経験からの育成に力を入れている企業を選ぶことで、チャンスは十分にあります。

Q
既卒期間のブランクはどう説明すればいい?
A

空白期間の“理由”よりも、“過ごし方”と“学び”に注目して伝えましょう。
たとえば、アルバイトや資格勉強、自己分析、業界研究など、前向きな行動をしていれば、評価の対象になります。
「何をしていたか」よりも、「そこから何を得て、どう活かそうとしているか」が重要です。

Q
就活の相談を誰にもできずに悩んでいます…
A

既卒向けの相談先はたくさんあります。
公的な支援機関(ハローワークやジョブカフェ)、若者サポートステーション、民間の就職エージェントなど、無料で相談できるサービスは充実しています。
一人で悩まず、第三者のアドバイスを受けることで、就活の進め方が大きく変わることもあります。

Q
既卒の就活では、どんな業界や職種が狙い目ですか?
A

未経験歓迎・ポテンシャル重視の業界が狙い目です。
具体的には、営業職、IT業界(初級エンジニアなど)、接客・販売職、人手不足の業界(介護・物流・飲食など)などがあります。
「経験がない=不利」ではなく、「今後の成長に期待できるか」がポイントです。

まとめ:既卒は採用されないなんてことはない

採用されない状況が続き、就活がうまくいかないと、「自分だけが取り残されている」と感じることもあるかもしれません。

しかし、既卒というだけで就職を諦める必要はまったくありません。
むしろ、既卒だからこそ得られる時間や視点を活かして、より納得のいくキャリアを選ぶこともできます。

一人で抱え込まず、必要に応じてサポートを頼りながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

この記事のおさらい
  • 「既卒=不利」ではなく、伝え方次第で評価は変わる
  • 空白期間を前向きに語ることが信頼感につながる
  • 明確な志望動機と将来のビジョンが選考のカギ
  • ポテンシャル採用や未経験歓迎の企業を狙う
  • 公的機関・エージェント・自治体支援などのサービスを活用する
  • 小さな準備と行動の積み重ねが自信につながる
  • 完璧を求めすぎず、柔軟にキャリアを積む視点も大切
タイトルとURLをコピーしました