【例文付き】転職の志望動機が思いつかない…原因と対処法をわかりやすく解説

30代の転職

転職活動を進めるうえで、志望動機の作成に手が止まってしまう方は少なくありません。

自分が本当にやりたいことって何だろう?

この会社に応募する理由がうまく言語化できない…

そんなふうに、志望動機が思いつかずに悩むことは誰にでもあります。
しかし、焦らなくても大丈夫です。

この記事では転職で志望動機が思いつかない理由とその乗り越え方について、段階的にわかりやすく解説します。
自分らしい志望動機を作るためのヒントを、一緒に見つけていきましょう。

なぜ志望動機が思いつかないのか?

志望動機が思いつかない理由
  • 目的が曖昧なまま転職活動を始めているから
  • 企業分析が不足しているから
  • 自分の強みや経験を言語化できていないから

転職活動で志望動機が出てこないのには、いくつかの共通した原因があります。
まずは「なぜ書けないのか?」という根本の理由を知ることで、対処の糸口が見えてきます。

目的が曖昧なまま転職活動を始めているから

とにかく今の職場を辞めたい

条件がいいところに転職したい

このように転職の“手段”ばかりに意識が向いてしまい、転職の目的が曖昧な場合、志望動機が思いつかなくなる傾向があります。

「なぜ転職したいのか」「次の会社で何を実現したいのか」が自分の中で整理されていないと、企業への動機が表面的になってしまいます。

企業分析が不足しているから

応募先の企業について十分に理解できていないと、「この会社で働きたい理由」が見つかりません。

たとえば、「なんとなく有名だから」「成長していそうだから」といった曖昧な印象だけでは、説得力ある志望動機にはなりません。

企業の理念・サービス・強みなどを深く知ることで、自分との接点や共感できるポイントが見えてきます。

自分の強みや経験を言語化できていないから

自分にはアピールできる実績なんてない

過去の経験がうまく整理できない

このように自己分析が不十分な場合、自分のスキルや価値を企業と結びつけることが難しくなります。

まずは過去の仕事で「何をしてきたのか」「どんな工夫や成果があったか」を棚卸しすることで、志望動機につながる材料が見つかります。

志望動機が思いつかないときの考え方

志望動機が浮かばないのは、考え方の切り口を見直すだけで大きく改善することがあります。
ここでは、自分らしい志望動機を見つけるための考え方を3つの視点からご紹介します。

志望動機が思いつかないときの考え方
  • 企業視点と自分視点のバランスを意識する
  • 過去の経験を振り返り、接点を見つける
  • 実現したいことを仮説でもいいから立ててみる

企業視点と自分視点のバランスを意識する

志望動機は、企業にとってのメリットと自分自身の希望や強み、その両方が結びついた内容が理想です。

しかし、志望動機が思いつかないときは、どちらかに偏ってしまっていることが多くあります。
企業視点ばかりを意識しすぎると本音が抜け落ち、自分視点に偏りすぎると独りよがりになりがちです。

企業が求めている人物像と、自分が提供できる価値の接点を探ることが、自然で説得力のある志望動機につながります。

過去の経験を振り返り、接点を見つける

志望動機は突然思いつくものではなく、これまでの経験を振り返る中で少しずつ形になっていくものです。

これまでどんな業務にやりがいや達成感を感じたか、どんな工夫や挑戦をしてきたかを振り返ることで、企業との接点が見えてくることがあります。

応募先の企業が力を入れている事業領域や働き方に、自分の経験が活かせそうな部分があれば、それが志望動機の核になります。
過去と現在、そして未来をつなぐストーリーを意識すると、動機に説得力が生まれます。

実現したいことを仮説でもいいから立ててみる

志望動機は、必ずしも確信を持って言い切れるものでなくても構いません。

現時点では仮説レベルでも、自分なりに「この会社で挑戦したいこと」や「こういう働き方をしてみたい」という想いを言語化することが大切です。

完璧な正解を探すのではなく、応募企業を選んだ理由や、今後やってみたい仕事の方向性を素直に整理してみましょう。
企業が求める人物像と照らし合わせながら、自分なりの仮説を立てることが、志望動機づくりの第一歩になります。

志望動機を組み立てる3ステップ

「志望動機が思いつかない」と感じるときは、白紙からいきなり文章をひねり出そうとしていることが少なくありません。
そんなときは、段階的に組み立てていく方法を取り入れることで、自然と形にすることができます。

ここでは、志望動機をつくるための基本的な3ステップをご紹介します。

志望動機を組み立てる3ステップ
  • 過去の経験やスキルを整理する
  • 応募企業の特徴や方針を理解する
  • 自分の経験がどう貢献できるか言語化する

ステップ1:過去の経験やスキルを整理する

まずは、自分がこれまで取り組んできた仕事やプロジェクト、そこで培ったスキルや強みを棚卸ししましょう。

どのような業務で成果を出したのか、何を工夫していたのか、周囲からどのように評価されたかなどを思い出し、キーワードとして書き出すことがポイントです。
完璧にまとめる必要はなく、箇条書きで構いません。

自分の「働き方の軸」や「得意なこと」が見えてくると、志望動機の土台が自然とできあがっていきます。
この段階では、企業との関係性は気にせず、自分の過去にしっかり向き合うことが大切です。

ステップ2:応募企業の特徴や方針を理解する

次に行うべきは、応募企業の情報収集です。

企業理念、事業内容、強み、課題、社風など、可能な限り幅広い視点で理解を深めましょう。
企業の採用ページやプレスリリース、社員インタビューなどを活用すると、公式情報だけでなく現場のリアルな雰囲気もつかめます。

ここで重要なのは、「自分がどこに共感したのか」「なぜこの企業に惹かれたのか」という感覚を大切にすることです。
その企業だからこそ感じた魅力を言語化できれば、動機にオリジナリティと説得力が加わります。

ステップ3:自分の経験がどう貢献できるか言語化する

最後のステップは、これまで整理してきた自分の経験と、企業が求めている人物像を結びつけることです。
過去の業務で得たスキルや価値観が、応募企業でどう活かせるのか、どのように貢献できるのかを具体的に考えましょう。

「〇〇の経験を通じて培った○○力を、貴社の○○事業で活かしたい」といった形で整理すると、説得力ある志望動機になります。

また、自分の目指すキャリアや今後の成長イメージも伝えることで、長期的な視点を持った応募者として好印象を与えることができます。

思いつかないときに実際に使える!転職の志望動機の例文【職種別】

ここでは、志望動機が思いつかないときに参考になる、職種別の例文を紹介します。
具体的な書き方のイメージをつかみ、自分の経験や希望に合わせて応用できるようにしていきましょう。

【職種別】転職の志望動機の例文
  • 事務職
  • 営業職
  • ITエンジニア
  • 販売職
  • 企画職
  • 人事
  • 経理
  • 受付
  • 未経験職種

事務職の志望動機例

これまで営業アシスタントとして、資料作成やスケジュール管理などを通じてチームを支えてきました。特に、業務の優先順位を整理し、効率化する工夫を行ってきた点は強みだと感じています。
貴社の「社内の円滑なコミュニケーションを支える事務職」という募集内容に共感し、自分の経験が活かせると考え応募しました。
今後はさらに幅広い業務を学び、部門を問わずサポートできる事務職として貢献したいと考えています。

営業職の志望動機例

前職では法人営業として、中小企業向けにITツールの提案営業を行ってきました。
お客様の課題を丁寧にヒアリングし、複数のサービスを組み合わせて最適な提案を行うことで、継続率の向上にも貢献してきました。
貴社が扱う商材の提案型営業に魅力を感じ、これまで培ってきたヒアリング力や提案力をさらに活かせると感じました。
将来的には新規開拓にも挑戦し、貴社の成長に貢献できる営業パーソンを目指したいと考えています。

ITエンジニアの志望動機例

SIerでの開発経験を通じて、要件定義から実装・保守まで一貫して携わる中で、技術力と同時にユーザー視点の大切さを学びました。
貴社の自社開発体制に強く惹かれ、エンドユーザーの声を反映しながら継続的に改善していける環境に魅力を感じています。
自分が培ってきたJavaやReactを使った開発経験を活かし、より価値の高いプロダクトづくりに貢献したいと考えています。
チーム内での技術共有にも積極的に関わり、組織全体の成長にも寄与したいと考えています。

販売職の志望動機例

アパレルショップでの販売経験を通じて、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った接客の大切さを学びました。
特にリピーターの方が増えていく過程で、信頼関係の積み重ねが売上だけでなく店舗の雰囲気にも良い影響を与えることを実感しました。
貴社の「顧客満足度を最優先に考える接客方針」に共感し、ただ商品を売るのではなく、ライフスタイルの提案まで含めた接客に挑戦したいと考え応募しました。
今後はスタッフ育成や売り場づくりにも関わり、店舗全体の価値向上にも貢献したいと考えています。

企画職の志望動機例

営業アシスタント業務の中で、商品パンフレットの改善提案や顧客アンケートの分析など、自主的に行った取り組みによって営業現場の反応が変わった経験があります。
このような「企画立案から実行までを担う働き方」にやりがいを感じ、企画職へのキャリアチェンジを決意しました。
貴社の自由度の高い企画体制と、ユーザー目線を重視する姿勢に魅力を感じています。
これまでの現場支援経験を活かしながら、企画段階から課題解決に貢献できる存在を目指したいと考えています。

人事の志望動機例

これまで店長として採用面接や新人研修を担当する中で、「人の成長が組織を変える」ことを実感してきました。
自ら関わったスタッフが活躍し、店舗の雰囲気が良くなった経験から、もっと人に向き合う仕事がしたいと考えるようになりました。
貴社の「人を中心とした組織づくり」に共感し、人事職として採用・教育の分野から貢献したいと考え応募しました。
現場経験を活かし、実務的かつ現場目線で、会社と人をつなぐ人事を目指したいと考えています

経理の志望動機例

前職では総務業務の一環として経費処理や請求書管理を担当しており、正確性や期日管理の大切さを強く意識するようになりました。
数字の裏にある業務の流れを理解することにやりがいを感じ、経理として専門性を高めていきたいと考えるようになりました。
貴社のように複数の事業部を持つ企業であれば、より複雑で実践的な経理経験が積めると感じています。
今後は会計知識を深めつつ、経理として安定した業務運営を支える存在になりたいと考えています。

受付の志望動機例

飲食店での接客経験を通じて、お客様の第一印象を左右する「最初の対応」の重要性を学びました。
表情や声のトーン、ちょっとした気配りが相手の安心感につながることを実感し、受付というポジションに強く惹かれるようになりました。
貴社の受付業務は来訪者対応だけでなく、社内外の調整や案内業務も含まれており、広い視野と丁寧な対応が求められる点に魅力を感じています。
安心感と信頼感を提供できる受付担当として、企業の「顔」としての役割を果たしたいと考えています。

未経験職種への志望動機例

これまで飲食業界で接客・マネジメント業務を経験してきました。
お客様の声を丁寧に拾い上げ、スタッフとの連携を図りながら、店舗の業務改善にも積極的に取り組んできました。
今回、貴社のカスタマーサポート職に未経験から挑戦したいと考えたのは、「顧客に寄り添う姿勢」を評価している点に強く共感したためです。
業界経験はありませんが、対人業務で培った傾聴力と冷静な対応力を活かし、迅速かつ丁寧なサポートを提供したいと考えています。

転職の志望動機が思いつかないときに避けたいNG例

志望動機がなかなか思いつかないときほど、焦って曖昧な表現に頼ってしまいがちです。
しかし、面接官に響かない志望動機には共通するNGパターンがあります。
ここでは、避けたほうがよい表現や落とし穴を具体的に紹介します。

志望動機が思いつかないときに避けたいNG例
  • 条件面だけを理由にしてしまう
  • 汎用的すぎるフレーズを多用する
  • 自信のなさをそのまま書いてしまう

条件面だけを理由にしてしまう

給与や残業の少なさ、リモート制度など、転職のきっかけとして条件面を重視すること自体は悪いことではありません。
しかし、志望動機の中でそれだけを前面に出してしまうと、「この人はどこでもいいのでは」と思われてしまいます。

条件の良さに惹かれたとしても、それに加えて「なぜこの会社なのか」という視点を必ず入れましょう。
企業独自の魅力や、自分との接点を丁寧に語ることが大切です。

汎用的すぎるフレーズを多用する

「成長できると思ったから」「社会に貢献したいと思ったから」といったフレーズは、誰にでも使えてしまうぶん、印象に残りづらくなります。

志望動機に説得力を持たせるためには、「なぜこの企業で成長したいのか」「どのような形で社会貢献したいのか」といった具体性が必要です。

企業ごとに内容を変えずに使い回すと見抜かれてしまうため、抽象的な言い回しだけで終わらないように注意しましょう。

自信のなさをそのまま書いてしまう

まだ明確な志望動機はありませんが…

業界知識はありませんが挑戦したいです

といった表現は、正直ではあっても受け手に不安を与えてしまいます。

たとえ未経験でも、自分なりに考えた理由や想いをしっかり言葉にする姿勢が重要です。

志望動機が完璧である必要はありませんが、「この会社で何かを実現したい」という前向きな意欲は、必ず伝えるようにしましょう。

転職の志望動機が思いつかないときによくある質問

最後に、転職の志望動機が思いつかないときによくある質問をまとめていきます。

  • 志望動機が全く思いつかないのですが、どうやって考え始めればいいですか?
  • 他の会社でも通用しそうな志望動機になってしまいます。どうすれば差別化できますか?
  • 条件面に惹かれて応募した場合、どう志望動機に落とし込めばいいですか?
  • 未経験の職種を希望している場合、どんな志望動機が効果的ですか?
  • 志望動機の添削をしてもらう方法はありますか?
Q
志望動機が全く思いつかないのですが、どうやって考え始めればいいですか?
A

まずは「なぜ転職しようと思ったのか」「どんな仕事に惹かれるのか」といった自分自身の気持ちから整理しましょう。
いきなり完璧な志望動機を作る必要はありません。過去の経験や価値観を振り返りながら、応募企業との共通点を探していくのが第一歩です。

Q
他の会社でも通用しそうな志望動機になってしまいます。どうすれば差別化できますか?
A

応募先企業の「事業内容」「社風」「取り組み」など、固有の特徴に注目するのがポイントです。
たとえば「〇〇という理念に共感した」「〇〇のプロジェクトに関わりたい」など、企業独自の要素を交えることで説得力が高まります。

Q
条件面に惹かれて応募した場合、どう志望動機に落とし込めばいいですか?
A

条件面がきっかけでも構いませんが、それに加えて「なぜこの企業なのか」「どんな働き方をしたいのか」を合わせて伝えるとよいでしょう。
「働き方に共感した上で、〇〇という事業内容に惹かれた」といった形にすると自然です。

Q
未経験の職種を希望している場合、どんな志望動機が効果的ですか?
A

未経験だからこそ、これまでの経験で活かせるスキルや価値観を具体的に示すことが大切です。
「人と関わる経験がある」「数字管理が得意」など、職種との接点を見つけて前向きに伝えましょう。

Q
志望動機の添削をしてもらう方法はありますか?
A

転職エージェントやキャリア相談サービスなどで、志望動機の添削やアドバイスを受けることができます。
また、信頼できる友人や前職の同僚に読んでもらうのも一つの手です。第三者の目線でのフィードバックは非常に有効です。

まとめ

転職活動で「志望動機が思いつかない」と悩むのは、誰にでもある自然なことです。

重要なのは、焦ってテンプレート的な言葉で済ませるのではなく、自分の過去や価値観と丁寧に向き合いながら、少しずつ言語化していくことです。

本記事でご紹介した考え方やステップ、例文を参考にしながら、自分らしい志望動機を組み立てていきましょう。

以下に、今回のポイントを整理します。

志望動機が思いつかないときのポイント
  • 志望動機は「企業視点」と「自分視点」のバランスが大切
  • 経験を振り返り、企業との接点を探すところから始める
  • 完璧でなくてよい。仮説レベルでも意欲や関心を表現する
  • 組み立ては3ステップ(過去の整理 → 企業理解 → 接点の言語化)で進める
  • 条件だけの理由や抽象的な表現、自信のなさはNG

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